就活失敗男の路線バス営業所おつとめ日記(ただいま休職中)

18卒の就活生でした。売り手市場と喧伝されているのを真に受けて就活を舐めた結果、秋まで内定先が決まらないという痛い目を見た挙句、入社してからは業務のしんどさとパワハラまがいの扱いをされて精神を壊してしまった失敗だらけの社会不適合者。今はとある路線バスの営業所で定期売ったり電話対応したり配車係の仕事をやって───いました。現在2回目の休職してます。営業所のお仕事日記を書きつつストレスや心の闇をぶつける暗いブログ

11/10

内定先へ正式にお断りの電話を入れた。

 

正直、お説教やネチネチとした不満を述べられることを覚悟していたし、本社への呼び出しや辞退する上で何らかの手続き書類への記入が必要になるものだと思っていた。場合によっては母校の就職課へ苦情電話が入りまたややこしいことになる・・・とも思っていた。

実際には、辞退することへの決意や覚悟の確認、タクシー業界から別業界へ移ることへの質問を少々、その他引止めが気持ちばかりあっただけで、スムーズに辞退は済んだ。

新内定先の企業名を聞かれることもなかったため、今後、新内定先を巻き込んだトラブルになる可能性は少ないとは思う。

しかし私の個人情報はガッツリどころか首根っこつかまれ丸裸にされたかのごとく相手へと筒抜けに流出している。今後タクシーを使う上で、サービスに登録する上で、何らかの支障が生まれる可能性はゼロでは無い。

後は、相手が大学へ連絡を入れないことを祈るのみだ。大学を巻き込んだ騒ぎになり、後の卒業や単位認定に支障を来たされては困る。

 

電話した際に聞かれた内容を、今後何の役に立つかもわからないが一応記録しておこう。

〇なぜ辞退するのか

〇どの業界へ行くのか

〇なぜその業界へ行こうと思ったのか

〇タクシーの給与面はとても良い、そこはわかっているか。

〇新内定先のキャリアプランは把握しているか

〇タクシーと変わらず不安定なシフトなことはわかっているのか

〇あなたの性格だと、どの業界に行っても迷うことになると思う。

 

これ以外にも色々と聞かれた覚えはあるが、今書き出せるのはこれだけだ。

人事担当から最後に言われた『あなたの性格だと、どの業界に行っても迷うことになると思う』という言葉に「大きなお世話だ!」と強い憤りを感じるとともに「一理ある」と納得をさせられた。恐らくは大した意味も無く、捨て台詞的な雰囲気を混ぜつつも皮肉や嫌味を込めた一言なのだと思う。しかしありがたい言葉として受け取っておこう。

 

人事からの質問を聞く中で、私は「この人の感覚はズレている」と強く思った。

それは、人事の人が持っているのは「何とかして引き止めたい」、「相手の誤解を解きたい」という気持ちではなく「なぜこういうキャリア・待遇が用意されているのに移るのか?」「ウチを辞退する理由がわからない」といった気持ちなのではないか、と感じたからだ。

おそらく人事の過去の経験からアドバイスしてくれていることは察するに余りある。

しかし人事の提示してくる給与面の良さやキャリアの豊かさ、これは一部の優れた人間にしか恵まれない特権のようなものだ。それを全ての新卒が受け取ることは出来ない。

私の採用担当になった方は、入社後約8ヶ月で内勤へと移り本社勤務になっている人間だ。タクシー会社においてこのキャリアはエリートであり、その「特権」を掴んでいる人間だ。そんなエリートの経験を語られたところで、既に大嘘をつかれていることに気付き、キャリアや待遇に失望を持った人間がどうやって心を動かされようか。

お恥ずかしい話だが、私は情や説得に弱い。『貴方ならできる!一緒に頑張ろう!』『入社後は全力でバックアップするよ!』と言われ心が揺らぎ、「しばらく検討させて欲しい」と保留してしまうルートも可能性としてはあった。だがそんな情は一切に感じなかった。エリートのレールに乗った人間の言う言葉は心に響かない。キャリアプランなんて言葉の輝きはドス黒い混沌にしか思えないし、豊かな給料なんて言葉は模造品のダイヤモンドにしか思えない。今思えば、エリートだからこそ『みんなにも私みたいな将来があるはず』という思い込みがあり私たち新卒生の悩みなどが理解できなかったのかもしれない。

 

さらに引っ掛かったのが言葉の節々から感じる「ここで新卒逃がすと後が面倒だから勘弁してくれ」と言わんばかりの嫌そうな喋り方だ。

その気持ちはわかるし、このタイミングで辞退するのだから相手に迷惑をかけるのは当たり前だ。しかし新たな新卒集めや面接の手配等が忙しいから、という理由では無く、辞退されると人事部に何かペナルティがあるのか?と感じさせるような嫌がり方だった。

辞退する理由や業種を変えた理由を念入りに聞いてきたのも、まるで

「〇〇くんはこれだけ固い意志を持っており、我々の引止めに応じませんでした。」

という言い訳を成立させるためであったかのように思えてくる。

 

 

 

さて、色々書いたが結局のところ、心残りなく内定を辞退することができたわけだ。

相手から感じたズレも、相手の意図的か偶然かは分からぬが尾を引かれる思いがまったく残らずに済んだのだし僥倖だ。

そして来年、きっとまた多くの新卒があの内定先を目指し、内定を貰い、現実を知り、そして色々あるだろう・・・色々ね・・・