連絡が来なかった。
選考中のマナーとして機内モードをセット。
選考が終わってから機内モードを解除。どしどし入ってくる通知。その中に着信履歴は無かった。
今日無いということはそういうことなのだろう。
「みんしゅう」には落ちた場合はサイレントであると記述があるのを見かけた。
ショックを受けつつ、まぁ俺は毎回こんなんだしなぁと自嘲して帰路へ着いた
そんな帰路の最中、一通のメールが来た。
内定先からの、内定式の連絡だ。
タイミングの悪さにこちらの動向が筒抜けなのでは、と疑いたくもなる。
文章を読むと、遅刻厳禁だの、過去最大級の規模だの、頭が痛くなる。
なぜこんな会社の内定式にかつてない経験したことが無いほどの憂鬱な面持ちで顔を出さねばならのか。
なにより、なんでみんなタクシードライバーで落ち着こうと思ったんだ?本当に後悔してないのか?
・・・内定した同期達のホンネを聞いて回るのも面白いかも、なんて少し思った。
一応、まだ明日がある。
連絡の望みが完全に絶たれた訳ではない。だが、期待できる確率は大分に低いことは明らかだ。
事前に面接の日程がある程度伝えられているとはいえ、前日に連絡をする企業は少ない。
何より、こうして期待しててそれがカタチになったことなんてほとんどない。
それでも、明日連絡が来てサヨナラホームランを叩き込んだかのような喜びで溢れるのを夢見つつ、三次まで登りつめて落ちる中途半端さはなんとも私っぽいと自嘲して、とりあえずは寝よう。
なんだかんだ言ったって、本当は喉から手が出るほど連絡が欲しい。
四次へ進んでいただく旨の連絡であれば最高だし、せめて、落ちたのならば落ちたと明言してくれ。そうすればきっぱりと諦めがつくのだ。