就活失敗男の路線バス営業所おつとめ日記(ただいま休職中)

18卒の就活生でした。売り手市場と喧伝されているのを真に受けて就活を舐めた結果、秋まで内定先が決まらないという痛い目を見た挙句、入社してからは業務のしんどさとパワハラまがいの扱いをされて精神を壊してしまった失敗だらけの社会不適合者。今はとある路線バスの営業所で定期売ったり電話対応したり配車係の仕事をやって───いました。現在2回目の休職してます。営業所のお仕事日記を書きつつストレスや心の闇をぶつける暗いブログ

新年度を迎えてしばらくしました。

だいぶ放置してしまいまして、備忘録としていよいよ機能しなくなりだしてきたような気がします

って、こんな出だしで前にも書いたような……。

 

こんな場末のブログ……というかブログの体裁が欲しいだけでブログとしての運営すらしてないブログなんですが、アクセス数がちょっと伸びてましたので、ガラにもなくアクセス解析を見てみますと、バスの営業所の仕事についてまとめた記事がちょっと読まれてるみたいです。

新しく業界に入った新卒の方が仕事内容が気になって読んでくださったのでしょうか、それとも法令改正にともなって業界の実態を検索された方がたどり着いたのでしょうか。

普段このブログについては「人に見られる意識を持つと文章が書きやすいだけで、読んでもらおうと思ってない」と重ね重ね述べてますが、あの記事についてはバス業界、それも営業所側の働き方についての記事が、求人サイトだったり専門的なブログでも書かれてることが少ないと感じていたため、いくらかはネットに流れて人の目に着くこと意識して残したため、その甲斐はあったのかな、と思います。

バス運転士の人が日々をつづる感じのブログは結構ありますし、求人サイトでも本当に大事な部分はめちゃ濁した感じの営業所事務員の『先輩社員の一日』はあるんですけどね。

 

昨今、業界のドライバー不足が叫ばれておりますが、元々事務所側にいた立場としては正直ドライバーだけに着目され過ぎている感じはしなくもないです。

というのは、ドライバーに限らず営業所側の人間も全然足りていません。

運転士の充足率も相当厳しい数字でしたが、営業所側も定数に対してマイナス3とか4ぐらいは普通にありました。それこそ私みたいに数年は頑張って仕事してたけど辞めちゃった人間なんてたくさん見てますし、古くからいる先輩方でも何かを機に辞めちゃった人も多いです。そしてこれもまた私も同様ですが、ストレスでメンタル潰して仕事来なくなっちゃって人員としてカウントはされてますが現場回す頭数としてはカウントできない感じになっちゃった人もかなり見てます。

んで、こういう人員というのはほぼ補充されません。

運転士さんは「積極採用!」なんて言ってどんどん募集してくれるんですが、事務系の人間はあまり積極採用してくれないんですよね。

と言っても、新しい人はちょくちょく入ってくるんで、人員が補充されてる『感じ』だけはするんですよ。

 

……んん?何か矛盾してるけどどういうこと?ってなると思います。

というのは、新しい人が来てくれてもその勤務形態やストレスフルな環境のせいですぐに辞めちゃって定着してないので、補充はされても結局居なくなっちゃったり、少し人員にゆとりのある営業所から異動で入ってきただけなので、会社全体で見たら別に人員増やしてないじゃんね、っていうワケです。というか一番酷いパターンですと、元々ゆとりがあった営業所に居た人がキツい営業所(勤務内容や業務内容もそうですが、人間関係なんかの意味でも)異動したりすると、途端に崩れて辞めちゃったりすることもしばしばありました。これ新規採用や中途採用の人がすぐ辞めちゃうよりも確実にダメージ大きかったですねぇ…。

そして何より、事務方の人間の働き方の一つに、会社からすればとっても都合の良い「サービス残業」という働き方がありまして、これがまた人手不足に拍車をかけております。

このサービス残業というのは何が素晴らしいかと言いますと、仕事の成果は残る訳なのに勤務時間が目に見えないわけですね。不思議なもんです。

運転士の人たちと違って、事務方というのは法律でキッチリ拘束時間の縛りがあるわけではありません。また、入庫点呼もありませんので、この時間までキッチリ仕事してた(走ってた)というのが別に記録に残ってそのまま給与に反映されることもありません。タイムカードあるじゃん?なんて思うかもしれませんけど、こんなもの後でいくらでも弄れるんですよ。そして運転士と違って、遅い時間に退勤してるからって本当にその時間まで仕事してたの?って疑われたら言い返せません。

運転士は入庫点呼が遅れる分、ハンドルを握ってた扱いになりますので、ちゃんと残業が付与されます。その気になればドラレコやバスロケのGPSデータを拾って本当に走ってたか追って調査することだって出来ます。しかし事務方の人間は退勤が遅くなったところで「ただ営業所に居ただけで、遊んでたり休憩してたら帰りが遅くなっただけじゃないの?」っていう疑惑が生じるんですね。仕事してるっていうのに。だから扱いとしてはどんなに遅くまで仕事してその時間にタイムカード切って実績締めても、やたら帰り遅いが仕事はキッチリ定時で終わってしばらく営業所に居ただけですね?っていうことになります。なので「営業所に居た」という記録は残せても、勤務実績自体はノー残業の定時上がりした形になります。

つまり実態はともかくとして実績上は残業代も発生せずちゃんと仕事は回ってて書類は出てくるしトラブル対応もしっかりこなせてるように判断されるわけです。

でも現場の実態としては、人手不足ゆえにもうサービス残業ありきで色々な仕事片付けないと回らない状態になっているわけです。

そんなわけですから当然現場の人間は荒れるわけです。忙しい上にストレスや緊張感は常にかかり続けて、給料は別に増えないんじゃ、そりゃそうなります。

そうなればパワハラまがいな事は横行するわけですし、仕事へのモチベーションだって低くなりますし、新人が来てもしっかりと面倒見てあげられなくなるわけですね。

一方で、求人サイト何かで掲載する実績の数字だけ見ると残業少ない!って嘘偽りなく書けるワケです。だって申告してないんだもの。

そしてそういう求人を見て、この会社は真っ当な会社なんだなぁ、と思った若い新卒の子たちが入ってきて、一時的に人員は補充されるわけなんですが、まぁ現実を知って辞めてしまうわけですね。そして人手不足の中でちょっとずつ肉体的にも精神的にも削られていくベテランの中には、もう耐えられないと離職する人も出てくるわけです。

ま、シンプルに言えばもう負のスパイラルに突入してるんでどうにもならないでしょうね。

幸いというか何というか、バスの運行本数自体はどんどん減らしていますので、運行管理側にかかる負担というのは少なからず減ってるんでは無いかと思います。なので変にすり減る事がなくなった現状の人員をどうにか確保しつつ、新卒で乱獲して少しでも生き残ってくれれば…と祈るダメなパターンの人材育成でどうにか持たせるしかないんじゃないかと思います。

 

…そういえば3年以内退職者数が明らかに過少申告してるんですけど、あれはどういうカラクリなんでしょう。どう考えても新卒のうち1年ぐらいで消えてた人数(しかも自分が把握してる中だけの数字)と合わなかったんですよね。その辺がよくわかりません。

 

 

ま、そんなわけで運送業界(バスに限った話かもしれませんが)は事務員だって割と酷い環境だし、人員足りてなくて過酷なんだよねぇ、というお話でした。

……それとも運送に限らず、どこの業界もちょっと黒い感じの会社はこんな感じなのかもしれませんが。