就活失敗男の路線バス営業所おつとめ日記(ただいま休職中)

18卒の就活生でした。売り手市場と喧伝されているのを真に受けて就活を舐めた結果、秋まで内定先が決まらないという痛い目を見た挙句、入社してからは業務のしんどさとパワハラまがいの扱いをされて精神を壊してしまった失敗だらけの社会不適合者。今はとある路線バスの営業所で定期売ったり電話対応したり配車係の仕事をやって───いました。現在2回目の休職してます。営業所のお仕事日記を書きつつストレスや心の闇をぶつける暗いブログ

普通の土曜日を過ごしたことが素晴らしいことだと感じた件

これから書く内容は本当に何の変哲もない、私のある土曜日の過ごし方である。

 

 

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朝、部屋のドアをたたく音で目を覚ます。

何事かと思えば、両親から「近所の川まで散歩しに行こう」というとてものどかなお誘い。

そういえば昨日の夜の内に言われてたのに、すっかり寝ちゃってたなぁ…などと思いながらいそいそと着替えて身支度をする。

家を出てすぐは少し肌寒かったのが、外の陽気と、運動でだんだんと暖まる体温でだんだん程よくなってくる。

川まではまっすぐ行かずに普段とは違うルートを通ってみる。

初めて足を踏み入れた街区だ、なるほどここはこうなっていたのか、とワクワクすら覚える。

そういえばここ、通勤の時にいつも電車から見えていたけど…歩いてみたらこうなってるんだなぁ……おっ、こんなお店もあるんだ、いいところだなぁ…などと新たな発見の連続だ。

しばらく歩くともうすぐ川に突き当たる。川の堤防はいわゆるスーパー堤防のように幅が大きく、もはや小高い台地のようだった。

川に突き当たってから対岸に渡るまでの橋は、堤防を歩いて少し下流へ移動しなければいけない。その下流までの移動中、横目に見えるのが堤防に建つ学校だ。この学校を越えてあたりに橋が架かっている。

学校からは部活動に励む生徒たちの掛け声やボールの弾む音が聞こえてくる。校門のそばでは部活動が終わったのか、それとも補修でもあったのだろうか、何人かの生徒が出入りしている。

学校を過ぎようとしたところで、吹奏楽部の少し拙いけど、でもなぜか聞き入ってしまう魅力的な音色が響いてきた。演目は今流行りの邦楽だったが、アーティスト名やタイトルが全然出てこなかった…。こういう芸能関係の疎さは相変わらずか、とちょっと嘆いてみたりする。

 

学校を越えて橋を渡る。同じように対岸へ向かって散歩をしている家族や連れ合いが何組かいる。

ふと川面を見ると、水上スキーをしているようだ。ボートに引っ張られながら巧みにスキーを操る姿をおぉ…と思いながらちょっと追いかけてしまう。

川の土手には野球場が広がっており、草野球チームの練習だったり、少年野球チームの試合が行われようとしていた。

大人のバッターが打ち上げたフライを、外野にいるちびっこ…きっと草野球チームの誰かの息子だろう……そのちびっこが必死に追いかけている姿が微笑ましい。

少年野球チームはグラウンド一周するかのように走りこんでウォーミングアップをしていた。一方その対戦相手のチームはベンチ前に整列して試合開始を待っているかのようだった。しばらく見ていたがずっと整列していたようだ。あれもしかして、相手のウォーミングアップ終わるまであのままだったのかな、ちょっと大変だろうな。

 

さて、川の対岸へ渡るとそこの堤防の斜面にはきれいな芝桜が植わっており、堤防には桜並木が出来上がっていた。

なるほどこれは春らしくて良いものだ、桜はちょっと散り気味だが斜面に敷き詰められた芝桜はなんと綺麗なんだろう…。

なんて思ったのは対岸に渡り切る橋の上から見ていた時の様子。

実際に間近で見ると、芝桜は結構隙間があってマルチシートの黒が目立った。

「あれ、遠くで見るとキレイなのに近くで見ると結構隙間目立つねぇ」なんて母親と笑ってしまった。

そんな折に父親から「写真一枚撮るよ~」と声がかかる。

あまり写真写りに自信のある見た目でも性格でも無いのだが、なによりせっかくの家族写真だ、喜んで写ろう。

 

さて、この芝桜が今日の目的地だ、ここからは帰路になる。

帰り道はなんと電車だ。お散歩なのに!と突っ込まれそうだが、ここまでで既に12000歩ほどは歩いている、結構な歩数じゃなかろうか。

さてさて電車に乗るために駅へ向かうが、駅のそばでふとお洒落なコーヒーショップを見つける。本格的なコーヒー豆のお店のスタイルをしつつ、気軽に飲める持ち帰りのコーヒーを提供しているらしい。

ほどよく体が火照っていた私たち家族はここでアイスカフェラテを頼む。…こりゃ絶品だ!

やっぱりちゃんとしたコーヒーショップで出してくれるカフェラテはおいしいなぁ~と舌鼓を打つ。

コーヒーを始め、カフェオレやカフェラテは大好きなのだが、あまり喫茶店などに行くタイプではないから本格的なのを飲む機会と言うのが実は少ない私。その少ない機会をこの絶好の御日柄で楽しめたのだから言うことは無い。

 

そしてあとは電車で最寄り駅へ帰り、自宅へ戻ってゴロゴロと過ごして一日を終えるのでした。

あっ、そうだ、家へ帰るまでにお魚屋さんへ行って夜の酒のつまみにお刺身を買い込んだ。いいお値段はしたけど、その分いい品物だったと思う。

 

そんな私のとある土曜日。

 

 

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この土曜日、面白みがあったでしょうか?普通の方からすると多分何も無いと思います。

起伏に富んでなくてつまらないとか、それはウチの日常だけど、とか色々あると思います。

でも、この「普通の土曜日」を体験したことが何よりうれしかった。

年に何度か、あるか無いかのそういうレベル。

私のやってる仕事は、こういう普通が無くなる仕事。そして同時にこういう普通を支えるために働く仕事。

わかってはいる、わかってはいるのだけど、どうしても自分だって「普通」の側に行きたいと思ってしまう。

行きたいなら行けばいい、そうなのだが、私みたいな能無しがいまさらその普通の世界には行けないのだ。

今の職場もようやくなんとか内定をもらえて入れた職場なのは散々ここで書いている。

新卒という貴重なカードを使って、ようやく「なんとか内定をもらう」ことが出来るレベルの人間が、どうしてまともに別の会社で雇ってもらおうなどということが出来るだろうか。土台無理な話なのである。

などと、面白みも無く、ぼんやりとした普通を過ごしたことが、かえって色々な想いを巡らせるきっかけになってしまった。