夕食後、母親からこんな発言が飛び出した。
「何かこう、報告出来そうなことは無いの?」
報告とは言うまでもない、就活のことだ。
悪意が無いのはわかる。自分の子供が何をしているか、どんな状況なのかわからないのが不安なのは当然だ。
少し笑いながら「いやぁ、無いねぇ・・・」と答えたが内心は落ち着いていられなかった。
調子を狂わされたと言うべきなのか、徐々に上げていたコンディションが一気に崩れてしまった。
休み明けの月曜日に面接がある、それに向けて週末はリラックスしつつ話のタネを集め、面接のシュミレートをすることでコンディション調整や面接対策を行っていた。バカにされるかもしれないが、これが思った以上に効果がある。
面接に対する重要度や緊張感が段違いに上がってしまった。
ここで決めなければまたしばらく迷惑をかける申し訳なさ、これが終われば逃げるチャンスがもう残り少ないことへの恐怖、何だかんだここで決まるだろうという楽観、その楽観に対する自戒・・・あらゆる感情が一瞬で吹き上がってきた。
こうして今の心境を文章で綴ることで平静を取り繕おうとしている状況だ。
心境を文章にまとめることで無理矢理集中状態に入り、余計な雑念を排除しているとも言える。
ふと嫌な事を思い出してしまった。某社(隠語でTB)の三次面接だ。
三次面接の後、雑談中に人事の方が「二次でとても熱意を感じられたと好感触だったので大丈夫ですよ。」と言っていた。内心、こりゃあ通ったろうとホクホクしていたが結果は三次落ち。
落ちただけならただのダメージだが、頭の中で断片化していた情報が結びついてしまった。
三次を受けたのが三名、募集人数が二名
私は三次選考の結果不合格
・・・言うまでもない、三次で自分だけ落ちて最終ではおそらく残った二名が受かってそのまま入社したのであろう。
的確に、私一名だけ落とされたショックは強烈だった。
こう書いていて、今でも心が痛むぐらいだ。
・・・落ち着こう、まだ日曜があるからここで整えよう。
大丈夫だ、自分を信じて、頑張れ!