この言葉を使う時、基本的には他人の方がよく見えるだけで、結局お互いの損得や利害のバランスはどこかで釣り合ってて同じになってる、ということがほとんどだろう。
隣から見ればウチの芝生の方が青く見えていたとか、良く見える裏で莫大な維持費がかかっていたとか、偶にある例として青と緑を比べていたのでそもそも比べ物にならないとか、そんな話がほとんどだ。
だが私の場合、本当に隣の芝生は青かった。
久々に日曜が休みになったこともあり、古くからの付き合いの友人と夕食を共にした。
友人と会い、まず話に上がるのは仕事のこと。
やれどんな仕事が辛いだ、こんな上司がいるとか、こんな給料だとか。
当然自分と友人で比較する。してしまう。・・・どう頑張って甘々に見積もりを入れたとしても友人の会社の方が格段にホワイト企業に見える。
手取りの金額がそもそもダンチだし、働く環境も友人の方が悠々自適で自由度が高い。というか仕事が楽しいらしい。(これは個人の感覚なので一概に比較できない、が私からしても楽しそうな仕事をしているとは思った)人手不足で困っておらず、残業代もしっかり出ている。
相手が良いところを列挙する一方でこちらが悪いところだけを列挙しているだけでは?お互いの意見交換のベクトルが違うのでは?と軌道修正を図ったが、するだけむなしかった。
ウチの会社の良いところなんて友人の下位互換でしかなかったし、相手から上がった悪いところは上司がウザいとか、ありきたりな不満だった。
業種が違う、職種が違う、文理の違いがある、一概に並べて比較できるものじゃないとは思う、思うのだけど、いくらなんでも自分の置かれてる環境がひどすぎやしないかと深刻に悩んだ。
流石にちょっと精神的にまいってしまった。
友人から「お前の会社本当に大丈夫かよ」と心配されるぐらいに、ウチの芝生は荒れていたようだ。
安い給料でコキ使われて先輩からは厳しく当たられ、生活リズムは乱れ、仕事量は新人にかけていい負荷なのか?と問いたくなるぐらい多く・・・さらには同僚が一人療養中なのも人手不足所以の肉体的な面はもちろん精神的疲労に拍車をかける。
以前から辞めよう転職しようとは薄々考えていた。それでも、入社させてくれた恩義もあればたった数か月で放り投げる責任感のなさに自己嫌悪するだろうし、あれだけ上手くいかなかった就活を再・再開したら今度はどんな悲劇が生まれるのか・・・と何重ものストッパーが働いていた。
でもそのストッパーがだんだん外れてきた。
たぶん、療養中の同僚の進退によって完全に外れるだろう。
彼がこのまま退職したら私も退職するだろう。
彼が復帰してくれれば私もしばらくは今の職場に残るだろう。
新卒が、仕事が嫌で来なくなるとか、数週間で辞めちゃうんじゃなくて、心を壊して休む職場っておかしいんじゃないだろうか・・・