父方の実家で懐かしいおもちゃが出てきた、と渡された。
きかんしゃトーマスのおもちゃだった。
赤い色の大型?の機関車で、遠い記憶だとジェームスとか言ったような覚えがある。
確かに遊んでいた覚えがかすかに残っている。年齢はいつごろだっただろう、5歳とかそれぐらいだっただろうか。
こどものおもちゃ特有の、油性ペンでの記名もされているのが懐かしさをより醸し出している。
そういえば昔、こういうおもちゃには全部名前書かれてたっけなぁ…なんて思い出す。
あの時の自分は毎日何を思って暮らしていたのだろうか、仕事や勉強とは無縁で毎日楽しく遊んでた気がする。今となっては恥ずかしいことこの上ないが、大分ワガママを言っているクソガキだったと思う。世間も知らず礼儀も知らず、一人っ子故のワガママさ、ろくでもないったらありゃしない
あの時、自分はどんな大人になると想像していただろうか。
きっとバリバリ仕事をして、奥さんもいて家庭を持って…なんて色々想像していたかもしれない。
そういえば当時の夢は電車の運転士か車掌だった。現実を知った今では、あまりなりたいとは思わないけれども、当時はそのためにどうすればいいのかを子供なりに真面目に考えていたりもしたなぁ。
あの時の自分が今の自分を知ったらどうなるだろう、こんな醜い姿で仕事も出来ず職場で疎まれている存在になっていると知ったらどれだけショックを受けるだろう。
きかんしゃトーマスのおもちゃを一つ手に取っただけで懐かしさとともに、今の姿を子供のころの自分には到底見せられない情けなさで悲しくなった、そんな出来事だった。