就活失敗男の路線バス営業所おつとめ日記(ただいま休職中)

18卒の就活生でした。売り手市場と喧伝されているのを真に受けて就活を舐めた結果、秋まで内定先が決まらないという痛い目を見た挙句、入社してからは業務のしんどさとパワハラまがいの扱いをされて精神を壊してしまった失敗だらけの社会不適合者。今はとある路線バスの営業所で定期売ったり電話対応したり配車係の仕事をやって───いました。現在2回目の休職してます。営業所のお仕事日記を書きつつストレスや心の闇をぶつける暗いブログ

休んでいる間に、SHIROBAKOというアニメを見ていた。

見ようと思ったきっかけは単純に、過去とても話題になった作品だから一度目を通しておきたいと思っただけだった。

まさかアニメを見て仕事について深く考えることになるとは思ってもいなかった。

アニメを見た程度で何を知ったように、と自分でも思うが、少なくとも何かを考えるきっかけにするには充分だろう。

 

このSHIROBAKOというアニメは、アニメ制作の現場をもとにアニメが出来上がるまでやその過程で起きるドタバタをコメディタッチにまとめた作品であり───まぁ細かい説明は省き、要はお仕事アニメであった。

仕事で悩んでる現状、こういったお仕事アニメを見ることで色々考えさせられた。

 

もちろんアニメ化されている以上、カットされている部分や美化されている部分は多々あるだろう。アニメのキャラクターほどみんな優しくないしフレンドリーさも無いだろう。それでも見て思ったのは、アニメの仕事をやってみたい───というよりも、会社やチームが一丸になって何かの完成に向かって努力する仕事をやってみたいということだ。

今の仕事がどういう仕事かと言えば、特に何かに向かって一丸となるわけでもないし、社会貢献や地域貢献をしている実感も無いし、日々飛んでくるお客様からの問い合わせやクレームに対応して一日の売上とか残数をチェックしてお疲れさまでしたー、とするだけの何も向上性の無い仕事だ。みんながみんなそれぞれの役割を任せられて、お互い不干渉、チームとか組織とかそういうものを感じられない。こういう環境が理想という人もいるだろうけど、少なくとも私にとっては苦痛だ。

元からそんなにチームとか組織とか好きな人間では無いはずなのだけど、今はこういう枠組みに入ることに謎のあこがれを感じている。アニメを見た一過性の昂ぶりとか気の迷いかな、と思ったけれども、おそらくはまともに研修もさせてもらえず、わかりやすい形での先輩とか指導者とかそういったものが存在しないこととか、新人なのにいきなり即戦力の駒として組み込まれてることで周囲の先輩たちとの協調の取れなさや歩み寄りにくさから来ているんだと思う。要するに孤軍奮闘状態で、頑張ったことがあっても困ったことがあっても自分でどうにかするしかないし、何かやらかしたときは相談できる先輩もおらず、上の人間に怒られるしかない・・・そんな状態から脱したいから憧れを持っているんじゃないだろうか。

じゃあチームとか組織に入れれば万事うまくいくのかと思えばそうでもないだろう。組み込めてもらえたところで黙ってても溶け込めるわけじゃない、元からコミュ力に難アリな自分にとっては結局現状の孤軍奮闘と変わらないのでは?とも思う。それでも、同じ目標とか理想とかチームとかでつながってる誰かがいるというのは安心感があるだろうし、そういうわかりやすい繋がりがあるだけ、まだそれを接点にしてコミュニケーションが取れるはずだ。それにウチ以外の会社なら入ってきた新人に対して独り立ちできると太鼓判を押せるまではしっかり面倒を見てくれるだろうとは思う。

 

そして何より、自分がやりたいことって何だろう、目指してる将来って何だろう?と深く考えさせられてしまった。

アニメの劇中でも、主人公が何を目指したいのか、将来どうなりたいのか、葛藤するシーンがある。おそらく作品のテーマの一つでもあるのだろう。

交通機関に関わる仕事をしたいな、と思って今の会社に入った。

新しい路線とかサービスを考える仕事をしたいな、と思っていた。

できるなら広報の仕事なんかもやってみたいな、と思っていた。

将来的に、業界のカリスマなんて呼ばれたら…なんてこっぱずかしい夢も少しは持っていた。

今、そんな夢とか希望とかそういうものは一切持ててない。日々押し付けられる仕事やこなさなければいけない仕事を、ミスして先輩から怒られないようにビクビクしながらこなすだけだ。

以前、何かの小説だっただろうか、「戦場では夢とか希望とか愛とかを語った奴から死んでいく」という一文があった、例によって私が見たSHIROBAKOというアニメの中でも、元々は大きな理想や憧れをもってアニメ業界に飛び込んだけれども、現実を知って冷めてしまい、仕事に対して投げやりになってしまったキャラクターが一人登場する。私も同じように、職場という戦場で、仕事に対して変な幻想を抱いてしまって死んだ人間の一人になるのかもしれない。今思えば、入社してすぐのころは自分の大好きな乗り物に関わる仕事が出来るし、地域貢献や社会貢献の出来る誇り高い仕事だし、その業界のマニアの喜ぶようなイベントや仕掛けを何か作りたい、なんてキラキラした何かを抱いていたなぁ、と思う。それをすぐに捨てて理想と仕事は違うと割り切れればそれが一番負担にならなかったのかもしれない。自分のやりたい仕事は出来ないし、職場の人間関係って想像していたより殺伐しているし、新人に対して優しい人なんて半分ぐらいだし、人手不足すぎて忙しすぎる・・・そんな中でも、いつかは自分のやりたいことが出来るとか、いつかは楽しくなるとか、理想を捨てきれずにいた。やりたいことは出来なくても、仕事が少しは楽に感じるとか、人間関係が良くなるとか、せめてそういうものを期待していた。しかし一か月耐えれば、二か月耐えれば、三か月耐えれば、と続けているうちにゴールが見えなくなっていたし、目標とか理想もしぼんでいてモチベーションも崩れていた。しぼんだ分、じゃあもうこういう環境だしこういう仕事なんだから仕方ないか、と割り切って無機質なフレームでモチベーションを支えて仕事に取り組めるようにはならず、そのまましぼんだ場所に失望とか諦めとか、そういう負のものが侵食してきた。

どんな仕事だって、現場だって、職業だって、自分のやりたいことがすぐに出来るわけではないのは十分にわかっている。自分のやりたいことができるまでに一年、五年、場合によっては十年以上の下積みが必要になる事だってあるだろう。それは覚悟で就職した。だけどそもそもその下積みを終える前に自分の体や精神が壊れてしまう。毎日の仕事が楽で、変化がなくて、それを十数年続けろと言われればまだいい。毎日の仕事がキツくて、変化ばかりで対応策も教えてもらえず、人間関係も最悪、それをあと十年は続けなければいけない、現状人手不足で負担も大きく人手が補充される可能性はほぼ無い。明るい未来が何にもない。

 

そんなこんな考えながら、アニメSHIROBAKOを最初から最後まで見通してしまった。

アニメ業界のお仕事楽しそうだな、と思いつつ現状こんなキラキラしてるわけないんだからアニメに感化されんなよ・・・と自分を戒めつつ、でもこんな職場で働けたら楽しいだろうなと思い、最後にたどり着くのは一つ。

今の職場、辛すぎるしもう耐えられないや。