就活失敗男の路線バス営業所おつとめ日記(ただいま休職中)

18卒の就活生でした。売り手市場と喧伝されているのを真に受けて就活を舐めた結果、秋まで内定先が決まらないという痛い目を見た挙句、入社してからは業務のしんどさとパワハラまがいの扱いをされて精神を壊してしまった失敗だらけの社会不適合者。今はとある路線バスの営業所で定期売ったり電話対応したり配車係の仕事をやって───いました。現在2回目の休職してます。営業所のお仕事日記を書きつつストレスや心の闇をぶつける暗いブログ

去年の今頃、何をしていたんだろうとふと思い出せば、ちょうど例のタクシー会社から内定をもらっていたころだと思う。

 

この春、私みたいに逃げ出さず、タクシードライバーになった同期が多くいるだろうし、説明会で魅力を感じて選考に進んでいる後輩がたくさんいるだろう。

今の時期になると、webニュースなどで「〇〇大卒なのにタクドラ!?」「今年は〇〇人採用!変わるタクシー業界」という見出しをちらほら見かける。かつてご縁があった故に気になるので一読すると、タクシー業界の良さを存分にアピールする記事であり、少し胸がズキっとする。

今でも正直、週一ぐらいで、タクシードライバーになってれば良かったんだろうか。と悩むことはあるからだ。

 

職場では先輩や上司から注目され(良い意味でも悪い意味でも)、苦手な先輩と嫌でも同じ空間にいなければならず、一か月も経つのに未だに仕事がおぼつかず怒られるという日々を繰り返す中で、出庫さえすれば個人の裁量が大きい…というか一人になれるというのは魅力に感じる。

本当にやっているのかはわからないが、説明会では、同期とラインでグループ通話しながらタクシーを走らせ、くだらない雑談や情報共有を行っていて楽しいとも言っていた。

もちろん、ただ一人でブラブラ街中を走りまわしてればいいわけでもない。お客さんを乗せれば一人ではなくなるし、そもそもちゃんと稼がねば自分の給与に返ってくるわけだ。仮にブラブラしていたとすれば入出庫の点呼で売り上げに関してクドクド言われるとは思う。先輩に怒られなくとも、そんな生半可な態度で人の命を預かればお客さんに怒られるはずだ。

 

それでも、仕事の環境として比較するとちょっとだけタクシードライバーが魅力に見える。

 

 

 

今の若者は怒られることに慣れていないとか、上司と部下のような縦の関係が嫌いとか、世間ではよく言われている。若者としては正直その通りだとは思う。

打たれ弱いゆえに怒られないから慣れていないのか、怒られないゆえに打たれ弱いのか、どっちが先かはわからないが、確かにガツンと怒られた経験は少ないし、軽く怒られるだけで大分心がやられる。

昔のような封建的な家庭や組織が少なくなり、父親や先輩の絶対さは薄れてきた。友達のような両親・親戚が増え、部活でも上から下までみんな仲良し!というのが多いと思う。

そんな環境で育った若者が、いきなり社会に放り込まれ、古き良き考えが蔓延した組織に属するのだから、怒られ、縦の関係に縛られ、辛く感じるのもやむをえまい。

そりゃ新卒の15%が3ヵ月持たずに辞めていくと聞いたってなんもおかしくは思わない。考え方が古いまま凝り固まった企業では特にそうなんじゃなかろうか。

上に書いた意見や考えは、新卒とか若者とか、そういう目線でしか物を考えていないことは重々承知しているし冷静な意見じゃないと自分でも思う。社会人になるとは、そういう理不尽に耐えることというのもわかってはいる。それでも、こうやってどこかで愚痴らないとやってられない。

・・・少なくとも、「俺が若いころ同じことやられたから同じようにやろう」とか「俺がこんぐらい出来るんだからこいつらも言えばできるだろう」とか、そういう考えの人がいる会社はロクでもない、と半分私怨を込めて書いておきたい。

 

 

とまぁ、怒られる事への愚痴や不平不満はさておき、タクシードライバーというものはこうやって雑用にコキつかわれたり、先輩からことあるごとに怒られたりすることと縁遠い(全くないワケでは無いが)業界なのは確かだろう。

出庫して町に出てしまえば後は自分一人だ。

人間関係とか上下関係とか、そういうものがわずらわしく感じたり、維持するのが苦手という人には向いた仕事かもしれない。

 

隣の芝生は青く見えるとはよく言うが、実際のところ本当に青く見える。

安定しない給与とか、長時間拘束とか、就活生当時も感じた不安要素は今でも不安に思う。

でも実際に働いてみて思うのは、給与とか拘束時間より、人間関係含めた職場環境が自分に合うか合わないかの方が、よっぽど仕事する上でのモチベーションとしては重きが置かれるということだ。

その職場環境を、自分次第で弄ることができるタクシードライバーという仕事、悪くないのかもしれない。

 

でも忘れてはいけないのは、あくまで職場環境を見たらの御話ということ。